「Gスポット」の版間の差分

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'''Gスポット'''は[[膣壁前部]]の[[膣口]]よりに存在するとされる小さな[[性感スポット]]。[[潮吹き]]を誘導する[[性感スポット]]とされ、その実体については議論が続いている。


== 概要 ==
== 概要 ==

2018年6月10日 (日) 07:50時点における最新版

ペルヴィス内でのGスポットの位置管は上から尿道直腸を示す。

Gスポット膣壁前部膣口よりに存在するとされる小さな性感スポット潮吹きを誘導する性感スポットとされ、その実体については議論が続いている。

概要

Gräfenberg spot」という表現が最初に提唱されたのは1981年に発表された、カナダのダルハウジー大学に所属するアディエゴらの症例報告[1]。ここでは、膣壁前部を刺激することで、「より深い」オーガズムを感じ、尿とは異なる液体[注 1]尿道口から射精(いわゆる潮吹き)する女性のことが報告されている。この「膣壁前部」の「感じる部位」のことをアディエゴらは「Gräfenberg spot」と名づけた。ドイツの婦人科医のエルンスト・グレフェンベルグに由来する名前である。ただしアディエゴらの論文でGスポット部位の最初の発見者として引用されているグレフェンベルグの1950年に発表した論文[2]は、不感症の女性と尿道に異物を挿入してオナニーをする女性の症例報告にすぎず、「Gスポットの最初の発見者がエルンスト・グレフェンベルグであるというのは作られた神話」であるといった批判も多い[3][4]Gスポット性感スポットとして広く一般に知れわたるようになるのは、アディエゴらの症例報告の翌年に出版された一般書『ザ・Gスポット[5]によるところが大きい。2014年には、ローマ大学のエマニュエル・ジャニーニ博士らがGスポット代わりにクリトリス尿道がからまった部分を『クリトウレスロヴァギナル複合体』(clitourethrovaginal complex)と呼ぶことを提案[6]

  1. この論文では、この液体の化学成分の解析までおこなっており、男性の前立腺液に特有の酵素が含まれていることを示している。

位置

膣壁前部膣口より

Gスポット論争

Gスポット大戦のコラムにあるように、Gスポットが本当に存在するかどうかについての議論が延々と続いており、結着はついていない。論点は「解剖学的に独立した新しい器官・組織としてGスポットがあるのかないのか?」である。Gスポット支持派は、「刺激すると潮吹きする性感ポイントが実際にあるのんだから、あるに決まっている。観察が足りないんだろう。」と考える。一方で、今のところ解剖学的、病理学的にGスポットを定義できるような確たる証拠は実際にないようで、「オルガズムに達するかどうかは、わしらの知ったことではないが、解剖学的にないんだから、わざわざ変な名前をつけて、医学的に存在するようなことは言わんといてくれ」というのがGスポットに否定的な人々の考えである。

Gスポット支持派

  • 最初に「Gräfenberg spot」という言葉でGスポットという性感スポットがあると主張したのがカナダのダルハウジー大学のグループで1981年の学術論文上で症例報告の形で発表[7]。「Gräfenberg spot」の刺激により前立腺液に成分の似た体液が尿道口から射精されること(いわゆる潮吹き)も記述されている。
  • Gräfenberg spot」を「Gスポット」と略して一般の人々に知らしめたのが、ラダス、ウィップル、ペリーの3人が共著で書いた一般書。ラダス(Alice Kahn Ladas)は教育学位をもち心理療法の資格をもつ米国の女性セクソロジスト。ウィップル{Beverly Whipple}は米国のニュージャージー州立大学ラトガース校の名誉教授。心理生物学の博士号をもつ女性研究者。ペリー(John D. Perry)はフロリダ在住の博士号と心理療法の資格をもつセクソロジスト。
  • フランスの泌尿器科医のフォルデ(Pierre Foldes)とブァソン(Odile Buisson)は、女性に指で膣オナニーをしてもらい、膣の周りの動きを超音波画像診断法で観察。クリトリス系が大きくなっているので、Gスポットは実は体内のクリトリス部分なのではないかと考察[8]
  • 米国の美容性外科医、オスレンツキー(Adam Ostrzenski)は、老女の死体解剖からついにGスポットに相当する器官を外科的に発見したと報告[9]

Gスポットに否定的な人々

別名

Gスポット Gräfenberg spot G-spot G-SPOT グレフェンベルグ・スポット

A, T, G, C・・といろいろあります

複合体・ゾーン・軸

脚注

  1. Addiego, F., Belzer, E.G., Comolli, J., Moger, W., Perry, J.D. & Whipple, B. Female ejaculation: A case study. J Sex Res 17, 13-21 (1981).
  2. Grafenberg, E. The role of the urethra in female orgasm. Int. J. Sexol. 3, 145-148 (1950).
  3. Hines, T.M. The G-spot: a modern gynecologic myth. Am J Obstet Gynecol 185, 359-62 (2001).
  4. Puppo, V. Anatomy of the Clitoris: Revision and Clarifications about the Anatomical Terms for the Clitoris Proposed (without Scientific Bases) by Helen O'Connell, Emmanuele Jannini, and Odile Buisson. ISRN Obstet Gynecol 2011, 261464 (2011).
  5. Ladas, A., Whipple, B. & Perry, J. The G spot: And other discoveries about human sexuality. New York: Holt, Rinehart, and Winston. (1982).
  6. 6.0 6.1 Jannini, E.A., Buisson, O. & Rubio-Casillas, A. Beyond the G-spot: clitourethrovaginal complex anatomy in female orgasm. Nat Rev Urol 11, 531-538 (2014).
  7. Addiego, F., Belzer, E.G., Comolli, J., Moger, W., Perry, J.D. & Whipple, B. Female ejaculation: A case study. J Sex Res 17, 13-21 (1981).
  8. Foldes, P. & Buisson, O. The clitoral complex: a dynamic sonographic study. J Sex Med 6, 1223-1231 (2009).
  9. 9.0 9.1 Ostrzenski, A. G-spot anatomy: a new discovery. J Sex Med 9, 1355-1359 (2012).
  10. Hines, T.M. The G-spot: a modern gynecologic myth. Am J Obstet Gynecol 185, 359-362 (2001).
  11. Hines, T. & Kilchevsky, A. The G-spot discovered? Comments on Ostrzenski's article. J Sex Med 10, 887-888 (2013).
  12. Puppo, V. Anatomy of the Clitoris: Revision and Clarifications about the Anatomical Terms for the Clitoris Proposed (without Scientific Bases) by Helen O'Connell, Emmanuele Jannini, and Odile Buisson. ISRN Obstet Gynecol 2011, 261464 (2011).
  13. Puppo, V. & Gruenwald, I. Does the G-spot exist? A review of the current literature. Int Urogynecol J 23, 1665-1669 (2012).
  14. Kilchevsky, A., Vardi, Y., Lowenstein, L. & Gruenwald, I. Is the female G-spot truly a distinct anatomic entity? J Sex Med 9, 719-726 (2012).

関連項目

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