「メルケル触盤」の版間の差分
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2016年8月21日 (日) 10:52時点における版
皮膚に接触した物体の材質や形を感じ取る圧力センサーをめるけるしょくばんという。
概要
感覚の中の体性感覚である皮膚感覚の触覚に主に関係する触覚受容器の1つ。カプセルのような構造をもつ。「マイスナー小体」「メルケル触盤」「パチニ小体」「ルフィニ終末」さらに「毛包受容器」「触覚盤」などが触覚受容器と呼ばれる。「メルケル触盤」は圧力センサーで、皮膚に接触した物体の材質や形を感じ取る。垂直方向の圧力による変形をよく感じる。神経終末とメルケル細胞が結合。指先に特に多いのが特徴。メルケル触盤やルフィニ終末は順応が遅く静的な刺激にも反応し続け、長い時間信号を発することができる。Pezo2と呼ばれる30回膜貫通の巨大イオンチャンネルが、細胞に力が加わった時に開き、電気刺激を発する。
クリトリスや膣にある神経
- クリションマンは複数の神経に支配される。
- 体性神経系である陰部神経は陰核背神経を介して皮膚に終わる。
- 内臓神経(自律神経)系である海綿体神経は動脈と勃起組織を支配。
- 陰核の勃起などの性的反射は運動神経支配であるが、反射弓の体性神経と内臓神経の両方が関与する点でユニークである。
- MazloomdoostとPauls の総説による[2]
- Martin-Alguacilらの総説による[3]
- 陰核亀頭には自由神経終末、パチニ小体、ルフィニ終末、メルケル触盤が豊富に存在する。
- 小陰唇の内側の膣口あたりまでにも自由神経終末、パチニ小体、ルフィニ終末、メルケル触盤が存在。
- 膣の中にはあまり感覚神経は存在しない。
別名
メルケル触盤 メルケル盤 メルケル細胞 Merkel disc
脚注
- ↑ O'Connell, H.E., Eizenberg, N., Rahman, M. & Cleeve, J. The anatomy of the distal vagina: towards unity. J Sex Med 5, 1883-91 (2008).
- ↑ Mazloomdoost, D. & Pauls, R.N. A Comprehensive Review of the Clitoris and Its Role in Female Sexual Function. Sexual Medicine Reviews 3, 245-263 (2015).
- ↑ Martin-Alguacil, N., Schober, J.M., Sengelaub, D.R., Pfaff, D.W. & Shelley, D.N. Clitoral sexual arousal: neuronal tracing study from the clitoris through the spinal tracts. J Urol 180, 1241-8 (2008).
参考図書
- 山口創『皮膚感覚の不思議』(講談社, 2006)
- Newton 感覚のふしぎシリーズ第5回 皮膚感覚のしくみ
- 傳田光洋『皮膚は考える』(岩波書店, 2005)]
- 傳田光洋『第三の脳――皮膚から考える命、こころ、世界』(朝日出版社, 2007)]
- 傳田光洋『皮膚感覚と人間のこころ』(新潮社, 2013)
- 傳田光洋『驚きの皮膚』(講談社, 2015)