催眠状態

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催眠状態(さいみんじょうたい)とは変性意識状態の1つ。

概要

催眠状態(さいみんじょうたい)とは変性意識状態の1つで、意識のリラックスがさらに進み、睡眠状態に近いぐらい脱力した弛緩状態。無意識は活性化した状態にあり、被暗示性が高まり「催眠暗示」が簡単にかかる状態でもある(ただし「催眠状態」と「被暗示性」は別物)。催眠状態に誘導するには「無意識を活発化」させるか、「意識を鎮静化」させるかである[1][2]

催眠状態の深さ

  • 「ヒプノダル・ステイト(hypnoidal state):「類催眠状態」。擬似催眠状態で簡単な筋肉支配の暗示が入る状態。
  • 『ライト・トランス(light trans)』=催眠状態:筋肉支配が可能で、不随意筋もある程度コントロール可能。通常、脳に近い部分(瞼、首など)からよく反応。硬直性のトランス状態を特に「カタレプシー」と呼ぶ。
  • 『ミディアム・トランス(medium trans)』=中程度の催眠状態:感覚支配が可能で、五感全てがコントロール可能。さらに感情支配へと深まる。
  • 『ディープ・トランス(deep trans)』=催眠状態:記憶支配が可能で、記憶をある程度コントロール可能。
  • 夢遊催眠:幻覚や幻聴を誘導可能。ないものが見える「正の幻覚」と、あるものが見えない「負の幻覚」。

催眠状態に誘導する暗示

  • 『前暗示』『刺激』『追い込み暗示』がセット。
  • 『刺激』を与えるタイミングが非常に重要。息を吐いて、次の息を吸うまでの間隙を狙う。
  • 「つなぎの言葉」=「Transition」が重要で、一見関連のないできごとを連結させる。

催眠状態の基本用語

  • 「基盤暗示(base suggestion)」が「催眠」になっていること。
  • 「威光暗示」。ただし、被験者を有利な状況にしないと、不安を誘導。
  • 「禁止暗示」:行動を制御。「禁止暗示」が入る状態は催眠状態=「筋肉支配の時期」に相当。
  • 「後催眠暗示」:覚醒後にも反応する暗示。
  • 「ラスト・シグナル(last signal)」:暗示の終了を知らせるシグナル。指を鳴らしたり、手を叩いたり何でもよい。特に言い回しや口調の強弱を使う場合は「ラスト・イントネーション」と呼ぶ。
  • 「観念運動(ideomotion)」:頭の中で思ったことが実際の行動になって現れる現象。無意識が活発化されるので催眠状態の誘導によく使われる。
  • 「催眠認識」:被験者自身が催眠状態にあることを認識すること。
  • 「第一次暗示性」:高い人はダマされやすいなどの単純さを示す。
  • 「第二次暗示性」:高い人は無意識の学習能力が高く単純作用などを覚えやすい。
  • 「第三次暗示性」:高い人は集団での活動でアクティブになる。

催眠状態の誘導スキル

  • 基本的に「無意識を活発化」させるか、「意識を鎮静化」させるかで催眠状態へと導入する。
  • 体を弛緩させ雑念を無くし意識を集中。「受動的注意集中」。これに伴い「被暗示性亢進」。
  • 意識を内側に向ける。外に向いている意識は唯一術者の声に対してのみ。なので、外部の刺激を(不安とならない範囲で)遮断。催眠の本質は「一点集中」。
  • 直接暗示は「依頼語」「命令語」ではダメ。
  • あるいは意識を内側に向けるために、外からの刺激を強くして、感覚を疲労させる。強い光を見せたり、難しい数の数え方をおこなわせる。
  • ホメオスタシスを一旦崩し、ホメオスタシスの回復のために情報を取り入れようとしている瞬間は被暗示性が高まる。瞼を閉じたすぐ後など。
  • 興奮状態をクールダウンするために、一定期間放置して、血を下げる。『沈黙法』とも呼ばれる。明示的に放置することを宣言。
  • 普段自由になる行動や観念が自由にならなくなった時、トランス状態に入りやすい。
  • 単調なリズムを与える。潜在意識は言葉の意味よりはリズムに影響されやすい。
  • 「凝視法」では瞼が震えだしたり、まばたきの間隔が短くなったり、まぶたの下がるスピードが遅くなってきたときが、被暗示性が高まった状態。
  • 眼球がキョロキョロ動いている状況は被暗示性が低い。眼球の動きが止まった瞬間に暗示を入れる。
  • 意図的に行為を禁止。
  • 覚ましてはかけるを繰り返す『ゆさぶり法』。
  • 頸動脈洞を圧迫して脳の血流を減らす方法もかつては使われたが、失神の危険性があるためにあまり使われなくなった。
  • 回頭法:頭をホールドし強制的に回転させ、後ろに倒しながら暗示をかける方法もかつて広まったが、目を回して気分が悪くなるリスクがある。回転させなくても、頭部に適度な加速度を与えるだけで同等の効果が期待できる。
  • 後倒法:体を後ろに倒して脳に加速度を与え、被暗示性を高める方法。
  • 驚愕法:二本の指先を凝視させ、意識が集中した時に、急に目の前に近づけ、そのまま閉じた瞼を軽く押さえて禁止暗示を入れる。瞼がカタレプシーで痙攣したタイミングで、後ろに倒れるなどの観念暗示。
  • ショルダー・ショック・オペレーション:暗示導入と共に、ゆっくり肩を下に押さえたり、あるいは、短い暗示と共に肩をグッと引っ張り、深い暗示に導入。肩を操作することで脳に加速度を与えている。
  • ポージング・インダクション:精神ではなく、身体の方をさきに催眠状態のポーズにしてしまう。暗示と共に、強制的に両手がだらんとして、頭が前に垂れたような姿勢にすることで、瞬間催眠導入を図る。

トピック

  • 催眠状態では「血が下がる」状態。頭寒足熱状態。
  • 催眠状態では副交感神経が優位。
  • 催眠状態では眼球が左右に水平移動する「眼球彷徨」を起こす。

別名

催眠 催眠状態 Hypnogenesis

脚注

関連項目

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