テンプレート:Bateson
提供:SM美容
概要
英国生まれの文化人類学者。ミルトン・エリクソンと親交が深く互いに影響しあった。メッセージが伝えるべき本来の意味を超えて、別の意味を伝えるといった「メタメッセージ」の概念を提唱。
別名
グレゴリー・ベイトソン グレゴリー・ベイツン Gregory Bateson
略歴
1904年(明治37年)、英国生まれ。
1925年, ケンブリッジ大学で生物学。
1940年(昭和15年)、マーガレット・ミードがミルトン・エリクソンを訪問。
1942年(昭和17年)、サイバネティックスのマーシー会議の設立メンバー。この頃にミルトン・エリクソンとも交流が始まる。
1954年(昭和29年)、グレゴリー・ベイトソン、ジェイ・ヘイリー、ジョン・H・ウィークランドがフェニックスのミルトン・エリクソン宅を訪問してインタビュー。
エサレン研究所でニューエイジ運動、新しいサイコセラピーの実験。
1976年、AAASメンバー。
解説
- 論理階型の理論=Theory of Logical Types
- 生物学、進化学にコミュニケーションの理論を持ち込む。
- 還元主義そのものは否定していない。最も簡潔な説明が唯一の解答と思い込むことの危険性を指摘。データはより広いゲシュタルトで理解されるべきと考える。
- 「直線的因果関係=leneal causality」ではなく「円環的因果関係=circular causality」を重視。サイバネティクスのフィードバック理論から。
- 情報は常にコンテクスト依存的で、コンテクストは常に階層的である。
- 進化するのはコンテクストである。
- 「Science probes; it does not prove.」科学は過程を向上させたり反証を加えることはできるが、それ自身の正しさを証明することは出来ない。
- シニファンとシニフィエ。
- 差異のメッセージ(=情報)は、二つ以上のものの相互作用に差異が内在するときに、その二つ以上のものによって作り出される。
- 父親は遺伝学者のウィリアム・ベイトソン。Gregor Mendelの名を取り、Gregory Batesonと名付けた。
- 最初の妻は文化人類学者マーガレット・ミード。三回の結婚と離婚を繰り返す。マーガレット・ミードはフランツ・ボアズに師事していたが、助手のルース・ベネディクトと親交を持ち、レスビアン関係になる[1]
- マーガレット・ミードとの娘は文化人類学者のメアリー・キャサリン・ベイトソン。
キーワード
- 「論理階型」
- 「認識論的前提」
影響を受けた人
- ラマルク
- ウィリアム・ブレイク
- サミュエル・バトラー
- R・G・コリングウッド
- ウィリアム・ベイトソン
グレゴリー・ベイトソンの関連書籍
- グレゴリー・ベイトソン『ナヴェン』
- 現代思想『特集=ベイトソン 関係性のパラドクス』(1984.5)
- グレゴリー・ベイトソン『大衆プロパガンダ映画の誕生』(1986)
- フリッチョフ カプラ『非常の知―カプラ対話篇』(1988)
- モリス・バーマン『デカルトからベイトソンへ―世界の再魔術化』(国文社, 1989)
- グレゴリー・ベイトソン・メアリー・キャサリン・ベイトソン『新版 天使のおそれ―聖なるもののエピステモロジー』(1992)
- メアリー・キャサリン・ベイトソン『娘の眼から―マーガレット・ミードとグレゴリー・ベイトソンの私的メモワール』(1993)
- Kevin Kelly『Out Of Control』(1994)
- グレゴリー・ベイトソン・ユルゲン・ロイシュ『精神のコミュニケーション』(1995)
- グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学』(2000)
- 河合隼雄、中沢新一、小林康夫、田坂広志『こころの生態系』(2000)
- 渡辺徹也『グレゴリー・ベイトソンの「学習」概念について』(2002)
- 佐々木裕一『パーマリンク(Permalink):00 年代 Web における情報アクセス構造と 情報収益化モデルを決定づけた技術』
- Lawrence S. Bale『GREGORY BATESON, CYBERNETICS, AND THE SOCIAL/BEHAVIORAL SCIENCES』
- スティーヴ・J. ハイムズ『サイバネティクス学者たち―アメリカ戦後科学の出発』(2000)
- Vaz NM『Evolution and conservation of immunological activity』(2006)
- グレゴリー・ベイトソン『精神と自然―生きた世界の認識論』(2006)
- 野村直樹『やさしいベイトソン―コミュニケーション理論を学ぼう!』(2008)
- Roffman AE『Men are grass: Bateson, Erickson, utilization and metaphor.』(2008)
- 安川由貴子『認識の変容にかかわる学習論の考察 : J.メジローの変容的学習論からG.ベイトソンを読む』(2009)
- 瀧本往人『哲学で自分をつくる 19人の哲学者の方法』(2009)
- 安川由貴子『G.ベイトソンのエコロジカルな思想におけ る「科学」と「芸術」をめぐる考察 : 「美的」な感覚と のインターフェイス』(2011)
- 大沼麻実『Alcoholics Anonymousの回復プログラムの再考 : ベイトソンのサイバネティックス的理解を用いて』(2011)
- 野村直樹『みんなのベイトソン』(2012)
- ドミニク・チェン『インターネットを生命化する プロクロニズムの思想と実践』(2013)
- ドミニク・チェン『未来を思い出すために』
- 高田明典『正しさとは何か』(2016)
- 花田里欧子『Gregory Batesonによる生の基準としてのメタ・コミュニケーションとその系譜』(2016)
- カンタン メイヤスー『有限性の後で: 偶然性の必然性についての試論』(2016)
- 朝隈里美『ベイトソンから芭蕉へ -変容する学習と生成する言葉-』(2019)
- モリス・バーマン『デカルトからベイトソンへ―世界の再魔術化』(文藝春秋, 2019)
脚注
- ↑ ヒラリー・ラプスリー『マーガレット・ミードとルース・ベネディクト』(明石書店, 2002)